一躍テレビで活躍した動物タレントの「パン君」をご存じでしょうか。
2004年から2012年にかけてバラエティ番組『天才!志村どうぶつ園』と『どうぶつ奇想天外!』に出演したことをきっかけに、お茶の間での知名度が上がりました。
パン君はオスのチンパンジーですが、まるで人間のような愛嬌のある仕草から番組内でも人気のキャラクターでした。
しかし現在、その姿をテレビで見ることはなくなりました。
パン君死亡説などの囁かれる中、今パン君はどのような生活を送っているのでしょうか。
現在の住まい
パン君は2001年に宮崎市フェニックス動物園で誕生しました。
パン君は母親から育児放棄をされたため飼育員によって育てられました。
その後2004年に阿蘇カドリー・ドミニオンに引っ越しをし、ショーに参加するようになります。
現在も阿蘇カドリー・ドミニオンで暮らしている
2012年、パン君はタレント業やショーへの出演などの活動を引退しました。
ですが、住み慣れた阿蘇カドリー・ドミニオンに現在も暮らしています。
テレビでは目にすることはなくなりましたが、園内の「チンパンジー学習の森」で今でもパン君に会うことができます。
お嫁さんのポコちゃんと一緒に暮らしている
パン君にはポコちゃんと言うお嫁さんがいます。
2015年にパン君とポコちゃんの間にプリンちゃんが誕生しました。
現在はチンパンジーの家族と穏やかに暮らしています。
ショーには出ていない
前述にもある通り、パン君はショーを引退しております。
それはパートナーであるポコちゃんが成熟期に入ったためパン君とポコちゃんの繁殖に専念してもらうためでしたが、あるきっかけで引退が早まります。
パン君が研修生を襲った真相
パン君はある事件をきっかけにぱったりと公の場から姿を消してしまいます。
そのきっかけとは人間を襲い怪我をさせてしまったという事件です。
私たちの目には人間の言葉をしっかり理解して意思疎通が取れる賢いチンパンジーに映っていましたが、この事件の時に一体何があったのでしょうか。
襲った原因
パン君が人を襲ってしまった実際の原因は不明ですが、いくつかの要因が重なったと考えられています。
あくまで推測ではありますが、その要因について以下にてご紹介します。
襲った原因(推測)①繁殖期に入る前だった
事件当時、パン君は10歳を超えていました。
チンパンジーは通常、5歳以上になると繁殖期前のため性格が狂暴化します。
パン君は普段から大人しく賢いという印象がありますが、パン君も動物ですから本能が備わっています。
そのため年齢的な要因があったのではないかと言われています。
襲った原因(推測)②研修生を雄としてみていた
チンパンジーの雄は成長過程で他の雄より優位性を誇示するために攻撃的になります。
この事件で襲われてしまった研修生は女性でしたがパン君は雄のチンパンジーと思ってしまったのではないかと言われています。
事件後のパン君の生活と「阿蘇カドリー・ドミニオン」への影響
この事件が起きる前からすでに成熟したチンパンジーをショーに出演させるのは危険と言う声が上がっていました。
日本動物水族館協会は阿蘇カドリー・ドミニオン側に「動物ショーとテレビ出演を止めなければ協会から退会せよ」と勧告をしていたようですが、阿蘇カドリー・ドミニオンは出演を続けていました。
結果として事件は起きてしまい、阿蘇カドリー・ドミニオンは日本動物水族館協会を退会します。
「みやざわ劇場」を引退
当初は2013年4月をもって引退予定だったパン君ですが、前述の事件が2012年に発生してしまいます。
そのため、阿蘇カドリー・ドミニオンはこれ以上のショーやテレビ出演は難しいと判断し、予定よりも早く引退を迎えることとなります。
引退後は、阿蘇カドリー・ドミニオン内にある「チンパンジー学習の森」にて一般公開が行われています。
「天才!志村動物園」レギュラー企画中止
パン君はショーからの引退と同時に「天才!志村どうぶつ園」のロケも中止となりました。
番組内で常に一緒にロケを行っていた志村けんさんは事件後、パン君に会いに阿蘇カドリー・ドミニオンを訪れました。
しかし安全上の問題から直接触れ合うことは出来ず、ガラス越しでの対面となります。
パン君はしきりに志村けんさんに芸を披露しますが直接褒めてあげることは叶わず、志村けんさんは苦し気に「パン君、ごめんね。褒めてやりたいけど…」と語ります。
この様子は2012年12月放送の「天才!志村どうぶつ園」で紹介されました。
幼馴染みのポコちゃんがお嫁さんに
謹慎と言う形で2012年からチンパンジー学習の森で暮らすことになったパン君。
その後、2015年にはパートナーであるポコちゃんとの間に子供が生まれました。
子供はプリンちゃんと名付けられ、「天才!志村どうぶつ園」でも紹介されています。
死亡説が浮上
これまでの紹介の通りパン君は今でも阿蘇カドリー・ドミニオンで元気に暮らしていますが、過去2回、死亡説が浮上しました。
そのきっかけをご紹介します。
死亡説浮上の理由①研修生を襲った
まず1つ目の理由は研修生を襲ってしまった事件後、ぱったりとテレビ出演が無くなったパン君に対して「殺処分されてしまった」という噂が流れます。
もちろん前述の通りデマですが、突然テレビから姿を消してしまったため「死んでしまったのではないか?」と憶測が飛び交ったようです。
それほど視聴者は日常的にパン君を目にしていたということが言えるでしょう。
死亡説浮上の理由②熊本地震
もう1つの理由は2016年に発生した熊本地震です。
熊本地震では阿蘇カドリー・ドミニオンも被災してしまいます。
それと同時期に「天才!志村どうぶつ園」で阿蘇カドリー・ドミニオンの特集予告がありました。
この予告を見て視聴者は「パン君が地震により死んでしまったのではないか」という憶測が流れてしまいます。
パン君は震災と関係無く健在でしたが、番組ではパン君と一緒に出演していた犬のジェームズ君が亡くなったという悲しい報告がありました。
震災が発生したことと、相棒であったジェームズ君が亡くなったことが、パン君死亡説という誤った情報にすり替わってしまったようです。
死亡説は嘘だった
これまでのご紹介の通りパン君は現在も阿蘇カドリー・ドミニオンのチンパンジー学習の森でパートナーのポコちゃんと娘のプリンちゃんと元気に暮らしています。
現在も一般公開をされているので、パン君に会いたいという人は一度訪れてみるといいかもしれません。
その際は天候や季節によって公開日時が異なるので事前に確認をしてから訪問することをおすすめします!
世間の声
まとめ
今回は動物タレントとして一躍人気者になったチンパンジーのパン君をご紹介しました。
- パン君はテレビ番組の出演をきっかけに人気者になる
- 研修生を襲った事実はあるが原因は不明のまま
- 研修生襲撃事件をきっかけにショーやテレビ出演を引退
- 現在も阿蘇カドリー・ドミニオンで元気に暮らしている
いかがだったでしょうか。
動物タレントは番組の演出によって非常に大人しく可愛らしい印象を視聴者に与えます。
しかしパン君の研修生襲撃事件は動物それぞれの特性が消失するわけではないことを忘れずに接していくべきだと思わせる事件だったと思います。